2009年 08月 19日
5月半ばの北海道、この地では桜の開花が始まる季節。
北海道東部(道東)はソメイヨシノは少なく、エゾヤマザクラが桜の代表選手となる。
一方、この時期の森ではエンレイソウ(属)とニリンソウの共演の場となっている。
笹の群生する乾いた場所を除くと、個体数の差はあるが必ずといって良いほど見られる。特に小川の流れる谷地やその斜面地周辺では、大群落を形成している。
平地はオオバナノエンレイソウ、山間部ではミヤマエンレイソウ(シロバナエンレイソウ)、エンレイソウが優占する傾向があり、とりわけ日高山系山麓では3種が混生している。
左からオオバナノエンレイソウ、エンレイソウ、ミヤマエンレイソウそして、特筆すべきは、3種間の自然雑種と思われる個体が様々見られることである。
混生地ではどこまでが純血種か区別しにくく、3つどもえとなって説明も難しいがとりあえず見た目から分けてみよう。
A.純粋なエンレイソウ?
B.外花被が緑色を帯び、通常個体よりも一回り大きい。
C.外花被はBの写真の花に似ているが紅紫色の内花被片が付いている。
この花弁は、同一個体でも0〜4枚と変異があり栄養状態によるものと考えられる。
D.純粋なミヤマエンレイソウ?
E. ミヤマエンレイソウ×オオバナノエンレイソウ
上段Dの写真よりかなり大きいが、内花被片がとがり、花柄が曲がっている。
F. ミヤマエンレイソウの個体変異株、全体濃紅紫色の個体もまれにある。
G. 純粋なオオバナノエンレイソウ?
左の写真の花は大型。内花被片は丸みを帯び、葉に厚みを感じる。
このことから、先ほどのB, C, Eそして一見オオバナノエンレイソウと思われる。左の写真も雑種ということになる。
3種間のエンレイソウ(属)には、ヒダカエンレイソウ、コジマエンレイソウ、シラオイエンレイソウの雑種名が付けられているが、これらは連続変異と考えられ、顕著な雑種特性を示している個体を除くと区別するのは容易ではない。
先きに純粋と書いたA,D,Fもあやしくなってくる。
実際、混生地のミヤマエンレイソウの花弁は本州中部の個体に比べ明らかに大きい。
エンレイソウ属(トリリウム)のことを考え始めると、神経衰弱になってくる。
左の写真の新種、外花被片、内花被片、葉とも2枚のジリウムを紹介して次に移ろう。
競演のもう一方、
ニリンソウも面白い。
エンレイソウ(属)の隙間をうめるように咲いている。
湿った場所に多く見られるが、栽培すると乾燥にも強いことから、中・大型草本の生育できない湿地に追いやらたのであろう。
さて、注意深く見て行くと花の形や枚数、色に差があることに気付く。
たいていは個体変異の範囲であるが、突然変異にしては頻度の高い割合で緑花の個体が所々見られる。
これらは、マイコプラズマの芸術作品である。
ウィルス性の生物の仕業であるが花や色彩に変化もあって、ハッとするほど美しい。
実際、マイコプラズマを利用した園芸品種はアジサイやツバキなど多く見られる。
尚、 この森の花園には、エゾエンゴサク、ユキザサ、オオアマドコロ、コモチミミコウモリ、レンプクソウ、エゾオオサクラソウ等が共存している。
北海道東部(道東)はソメイヨシノは少なく、エゾヤマザクラが桜の代表選手となる。
一方、この時期の森ではエンレイソウ(属)とニリンソウの共演の場となっている。
笹の群生する乾いた場所を除くと、個体数の差はあるが必ずといって良いほど見られる。特に小川の流れる谷地やその斜面地周辺では、大群落を形成している。
平地はオオバナノエンレイソウ、山間部ではミヤマエンレイソウ(シロバナエンレイソウ)、エンレイソウが優占する傾向があり、とりわけ日高山系山麓では3種が混生している。
左からオオバナノエンレイソウ、エンレイソウ、ミヤマエンレイソウそして、特筆すべきは、3種間の自然雑種と思われる個体が様々見られることである。
混生地ではどこまでが純血種か区別しにくく、3つどもえとなって説明も難しいがとりあえず見た目から分けてみよう。
A.純粋なエンレイソウ?
B.外花被が緑色を帯び、通常個体よりも一回り大きい。
C.外花被はBの写真の花に似ているが紅紫色の内花被片が付いている。
この花弁は、同一個体でも0〜4枚と変異があり栄養状態によるものと考えられる。
D.純粋なミヤマエンレイソウ?
E. ミヤマエンレイソウ×オオバナノエンレイソウ
上段Dの写真よりかなり大きいが、内花被片がとがり、花柄が曲がっている。
F. ミヤマエンレイソウの個体変異株、全体濃紅紫色の個体もまれにある。
G. 純粋なオオバナノエンレイソウ?
左の写真の花は大型。内花被片は丸みを帯び、葉に厚みを感じる。
このことから、先ほどのB, C, Eそして一見オオバナノエンレイソウと思われる。左の写真も雑種ということになる。
3種間のエンレイソウ(属)には、ヒダカエンレイソウ、コジマエンレイソウ、シラオイエンレイソウの雑種名が付けられているが、これらは連続変異と考えられ、顕著な雑種特性を示している個体を除くと区別するのは容易ではない。
先きに純粋と書いたA,D,Fもあやしくなってくる。
実際、混生地のミヤマエンレイソウの花弁は本州中部の個体に比べ明らかに大きい。
エンレイソウ属(トリリウム)のことを考え始めると、神経衰弱になってくる。
左の写真の新種、外花被片、内花被片、葉とも2枚のジリウムを紹介して次に移ろう。
競演のもう一方、
ニリンソウも面白い。
エンレイソウ(属)の隙間をうめるように咲いている。
湿った場所に多く見られるが、栽培すると乾燥にも強いことから、中・大型草本の生育できない湿地に追いやらたのであろう。
さて、注意深く見て行くと花の形や枚数、色に差があることに気付く。
たいていは個体変異の範囲であるが、突然変異にしては頻度の高い割合で緑花の個体が所々見られる。
これらは、マイコプラズマの芸術作品である。
ウィルス性の生物の仕業であるが花や色彩に変化もあって、ハッとするほど美しい。
実際、マイコプラズマを利用した園芸品種はアジサイやツバキなど多く見られる。
尚、 この森の花園には、エゾエンゴサク、ユキザサ、オオアマドコロ、コモチミミコウモリ、レンプクソウ、エゾオオサクラソウ等が共存している。
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by sanyasoo
| 2009-08-19 20:22
| 野草散策『北海道』